9年ぶりの喚起に至るまでの舞台裏

この度6年生が9年ぶりに全日本サッカー選手権U-12を優勝し、年末に行われる全国大会へのの切符を手に入れました。たくさんの方にお声がけいただき、当日も応援に来ていただきとても励みになりました。改めてありがとうございました。実は私の中ではこの9年間で何度も出場できるチャンスがあったと思っています。2年連続出場をかけた決勝で負けたり、新人戦や夏の県大会まで優勝をしながらも準決勝やその前で負けてしまったり。6年の最後の大会までタイトルを取り続けた学年が、最後の最後に負けてしまう。東北大会を何度も優勝したはずなのに。誰もが優勝候補と思っていたのに。この9年間他の県大会や東北大会では立派な成績を残しています。もちろんフットサルの全国大会ではベスト16にも何度も入りました。ただ最後の最後のこの大会に負けてしまい、悲劇を味わっていた。やはりプレッシャーというのは重くのしかかり、相手は死に物狂いであの手この手で立ち向かってきます。あきらかな引き分け狙いでPKで負けた学年も。失点もせずに負けてしまうあの歯がゆさ。ただただ時が過ぎしまうあの重苦しい時間。これまでの学年の全部のシーンが脳裏に焼き付いて離れませんでした。思い切って力を出し切れずに負けさせてしまったのが本当に申し訳ない。相手に負けたというより、大会に飲まれた。子どもたちのエンジンに火をつけれなかった。この時期の冷たい雨とともに熱いはずの魂が消火されていきました。今大会大事なタイミングが2回。今回の県大会の例年と違うところは、準決勝の前に2週間空くこと。これが大きかった。大事なタイミングとして準々決勝をまずは一つの決勝ととらえることとし、ここに全てをまずは出すこと。先を考えずに行える思い切りの良さに期待した。得点は4得点もし、スーパーシュートが炸裂し勝利。しかし失点は1年間通し見たことのないような失点が3失点も。勝ったのは良かったが、こんなに簡単に失点していてはいけないと2週間みっちり準備出来ました。そのおかげもあり準決勝決勝は無失点。ちゃんとミーティングにてポイントを絞って練習した成果は出たかなと。ただ、あまり守備のことばかり声がけしてもこの子達らしくない。決勝戦において失点してから逆転できるチームはなかなかいない。ほとんどのチームが先制点を入れてそのまま逃げ切るだろう。先に一点取ったら青森FCのゴール前は魂込めた守備がより輝く。歴代の先輩たちから続く青森FCらしさの一つだ。間違いなく先制点を取ったら守り切れる。先制点も必ず入れれる。だからそれまで我慢だ。大丈夫、みんななら絶対できる。後は余計なことはあまりしゃべらず、無心の集中力を高めさせた。この試合前のミーティングが過去9年間での反省をフルに考えた大事なタイミングでした。あれこれ相手の情報を言って、試合中もコーチングに必死になった過去。選手の動きを上げるためにどんどん指示を出した過去。しかしこの大会は違うと9年間で気づいた。大会の空気が重い。なかなかうまくいかず、コーチングの指示を待ってしまい、耳のみが先に動き、目がぶれる。心と身体はますます重くなる。力を出し切れずに敗退。選手に全力出させること。君たちなら絶対大丈夫。信じて見守ることをはっきりと選手に意思表示した。選手は自分たちで声を出して走ることを覚悟を決めたようにプレーしてくれた。指示なんか待ってる大会じゃない。選手の心に火付けた方の勝ちだ。自分の勝ちたい意思を出し切った方が勝つ大会だ。大人が一歩前に出る時代じゃないよ。関東の指導者から聞いた言葉が胸に落ちた。指導者が一歩下がって選手が2歩前を自分達から歩いていけるように後ろから見守る。信じて見守ることで選手の覚悟を高め、ラスト残り僅かの苦しい時に思い切り声を出して励ます。もう一度火を強くする。青森FCのゴール前は幾つもの身体が水しぶきを上げながら横になっていた。湯気が見えるほどの熱く分厚い守備だった。相手より何度も走り回った。うまい方が勝つんじゃないだろう?と4・5年生も納得しながら今頑張ってくれている。上手いか下手かなんて関係ない。上手いだけじゃ足りないよ。下手でも力になれるだろう。気持ち次第だ。決勝はThis is 青森FC!熱い魂で戦っていた。たくさんの寄付金ありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します。青森FC魂全国に見せつけてきます。伊藤豪