見事なシュート

 サッカーを長年プレーしていても、忘れらないシュートというのは、それほど多くはないはずだ。しかし、70歳近くになっても忘れられないシュートといったものは何本かある。高校生の時の高校総体でのシュートである。0-1で負けていたが、右サイトからのクロスが、まるで時計が止まっているかのようにスローで流れてきた。それだけに、何の気負いもなく、無理に振り回すことなく打ったシュートは右すみに決まり同点とした。遠い昔のことだ。そのころのルールは同点の場合は抽選だった。相手チームにとっては悔やんでも悔やみきれないものだったろう。もうひとつは大学生の時である。相手は順天堂大学。全国から選手が集まる名門だ。当然試合は押されっぱなしではあるが、キャプテンとしてプレーしている自分がチームを引っ張らないといけない。中盤でのせめぎ合いはロングボールが多く、ヘディングの回数が多く、次第に腰も痛くなってきた。ハーフエーライン付近にいた自分にボールがきた瞬間、相手GKがかなり前に出ていたのを見た瞬間。超ロングシュートを打つと、GKが慌てて下がるも、頭を超えてゴールが決まった。この二つのゴールは神様がくれたゴールだと思っている。                                                  先日、ジェフ千葉の壱晟君が、見事なロングシュートを決めてくれた。ペナルティー外からのボレーシュートだ。たいがい、あの距離だとバーの上を超えてしまうことが多いのだが、押さえのきいたシュートは見後ににネットを揺らした。現在リーグ戦では2位に5ポイント差をつけて首位を独走中である。ネット記事には、世界が驚ろいたゴラッソとyoutubeで流された。彼は、チームの練習が終わると、必ず、個人トレーニングを欠かさないという。自分の課題に取り組み、ある時は1vs1の守備。時にはシュート練習。そしてロングフィード。千葉の現監督の小林さんは,壱晟のキックの正確さなどをコーチの時から高く評価し、監督となってからは、MFから右サイドバックにコンバートし、彼の才能をさらに開花させた。彼のクロスもまた正確無比であり、ゴールキーパーにとっては非常にやっかいである。ゴールキーパーから逃げていくクロスからアシストも多く生まれている。