バーモントカップ全国大会ベスト16の舞台裏~伊藤豪監督~

毎月の予定表に掲載されている記事の中から、今回のバーモントカップでの伊藤豪監督の思いをご紹介します。

 

6年生が8月15日~17日の三日間、東京の駒沢体育館にてフットサル全国大会に参加してきました。47都道府県を勝ち抜いたチーム (北海道は2チーム)を4チーム×12チームに分けたグループリーグ。各1位と2位の中の成績上位4チームのみがベスト16に入ります。県予選は2月に行われていましたので、まずは練習を6月末から少しずつ再開しました。練習試合は出場する岩手、函館のチームと行い、大会前日までには優勝した千葉、宮城、栃木、山梨、群馬と行いました。まずまずの内容ではありました。初戦は京都。練習試合が悪くない時ほど、大会1試合目の最初の入りは慎重にいきたいところでしたが相手エースのスペシャルな左足に完敗でした。1試合目を落とすとベスト16入りはかなり怪しくなります。既に崖っぷちとなり、まずは勝つこと。そして出来れば得点数にもこだわりたい。2試合目、今大会最高得点の16点をたたき出しました。ここに私の最大の苦悩がありました。忘れもしない現大学3年生の子たちの全国大会。鹿児島での8人制ではありましたが、1試合目が移動のトラブルや緊張もあり動きが固い。前半やっと得点をとり2-0。おもいきって選手交代を増やすことにしました。すると緊張はとけ明るいプレーへ変身。後半残りわずかでは全選手を交代し、初戦は6-0で勝利しました。そのおかげで全選手気持ちも盛り上がり、2試合目も劇的勝利。気持ちが離れている選手もいなく、ベンチでも全員で声出しながら勝利しました。3試合目は超強豪チーム相手に一時同点とするも1-3で敗戦。勝ち点6でワイルドカードを願う形となりました。結果は得点わずか1得点差足りなくベスト16には入れませんでした。1試合目の交代はあれでよかったのだろうか。。。勝ち進むことが絶対必要ではある。子どもたちのモヤモヤとあと1点足りない悔しさに、言葉が出ませんでした。ただ、全国大会で全選手を出場させたチームは青森FCだけでした。せっかくの最後の晴れ舞台。ピッチに立つこともないまま帰る子もいただろう。あの葛藤が忘れられない。今回もワイルドカードが私の頭を苦しめた。前半9得点。ここまでくれば交代選手も多く出してあげたい。が、ワイルドカードは保証されていない。やはり点は取れるだけ取らないと。交代選手も満足な時間ではないが出場してもらいつつ取れるだけの得点を重ねた。あとは3試合目に勝てばワイルドカードはほぼ見えた。気持ちの入った青森FCらしさ全開で見事勝利。この試合は交代もしながら戦いましたが、全選手出場することは叶いませんでした。結果的にはベスト16入りに成功。しかしベスト16からは相手の余力と選手層がグンと上がります。交代をうまく行えている相手チームと交代が少ない青森FCとでは体力的にも差が著しく見え始め、健闘もしましたがスコアと映像には見えない差を私は感じました。全国大会ですから、勝つことが1番重要ではある。勝ちを優先すべきではある。ただ、勝ちを優先するだけが育成年代のサッカーでは無いのは間違いない。勝利至上主義からの脱却を狙い、競技人口や将来の育成を狙い柔道界は育成年代の全国大会を辞めた。ものすごい勇気のいる協会の判断。勝利を優先すれば失うこともある。だが、子どもは勝ち進みたいのだ。9年前のあの何とも言えない悔しさの子どもたちの顔は忘れられない。ただ、今回も試合出場時間にも大きく差はあり、胸が痛い。今回どのチームも選手交代をたくさんできているチームは多くはない。競った試合では尚更だ。ベスト16は間違いなく素晴らしいこと。ただ、浮かれるわけにもいかず悔しさと苦悩を持ち続け、また挑むしかない。全選手が活躍し、成長できるのが1番大事だ。そしてそのためには誰がでてもチームが生き生きとした試合をすること。誰が出ても父兄も選手も青森FCとして応援すること。線は引かない。引いてはいけない。ベストメンバーなんて無い。誰が出てもベストメンバーだ。それでいて本気で勝ちに行く。投げる試合なんか無い。全部本気。勝ちを目指して泥臭く。このままでいいのか少年サッカー。この葛藤を覆すため、子どもたちみんなの将来のために私は日本サッカー協会の考えと戦う。子ども達にはもちろん勝つことは絶対目指さなきゃとは言う。真剣に楽しむ。ここの声がけが難しくもあり、指導者の腕が問われる。大人が試合を色分けしたようにはしない。勝った負けたの前にまずはサッカー小僧となれ。大会のためだけの練習だけでは意味がないんだ。だけど全国のライバルと真剣勝負できる場は大きく成長する。今回も素晴らしい相手選手もいたし、そこと戦った青森FCの選手も素晴らしかった。やはり舞台に立てなきゃわからないことはたくさん。日々全力でボールと向き合う。人間形成が1番のポイントだ。勝ち負けによる擦れた心はNGだ。伊藤豪